One Small for Smile
AWARENESS FOR HER Breast Cancer Awareness Campaign 大切な人を思う気持ちを伝えたい 乳がんの早期発見・治療を

大切な人を守るために
乳がん検診について知ろう

加藤浩次氏 × 田村宜子先生(虎の門病院 ブレストセンター 医長)

日本における女性の乳がん罹患率は欧米にくらべると比較的少ないとされてきました。ところが最近、日本でも乳がんの罹患率が年々増加しており、生涯のうちに乳がんになる女性の割合が15年前は26人に1人でしたが、現在は11人に1人と言われています。早く見つかれば高い確率で治る、検診が有効な病気である乳がん。
エストネーションはCSR活動のひとつのミッションとしてジェンダー平等の推進をかかげており、女性たちが笑顔でいきいきとした日々を過ごせるように、という願いを込めて乳がんの早期発見・治療の啓発活動をしております。

 

活動の一環として今回は、乳腺専門医として日々多くの患者さんと接していらっしゃる虎の門病院ブレストセンター(乳腺・内分泌外科)の田村宜子先生にお話を伺いました。対談のお相手は司会者としてさまざまな社会問題に接し、芸人、俳優など多方面で活躍中の加藤浩次さん。エストネーションの顧客さまとして普段からご来店いただいており、プライベートでは愛妻家であり3人の子を持つパパでもある加藤さんに「男性の立場からはどのようなサポートができるのか」という視点で、お話しいただきました。

 

マンモグラフィー検査だけでは、
小さながんは見つからないことも?!

加藤浩次さん(以下加藤)
現在、日本における乳がんの状況はどんな感じなんですか?患者数は増えているのでしょうか。

 

「田村宜子先生(以下、田村)
欧米よりは少ないですが、日本での罹患する方は年々増えています。一つ違う点は、欧米では乳がん死亡率が1990年ごろから下がってきているということです。アメリカやヨーロッパでは、乳がんは昔から珍しい病気ではないという知識があり、医療費の問題からもマンモグラフィ検診の受診率が70〜80%と高いんですね。それに対して日本ではやっと2000年ごろから増加から横ばいになったところで、欧米に遅れをとっています。

 

加藤 日本では検診の受診率も低いんですね。

 

田村 はい。日本は検診の受診率が低いです。また、さらに欧米では治療も洗練され標準化したものが行われていることが死亡率減少の要因だと言われています。一方日本では、世界的に効果があると認められている標準治療だけではなく、認められていない言わば民間療法が混在し、わかりづらいことも欧米とは異なる点かもしれません。

 

加藤 なるほど。まずは検診をすることが大切なんですね。乳がん検診はどこで受けるのでしょうか。イメージだと乳がん検診は産婦人科でしょ、と思っているのですが違うんですか?

 

田村 はい、それは違います。産婦人科の先生が乳がん検診のライセンスを持っている場合はありますが、乳がんは外科で診る病気なので産婦人科は乳がんの専門ではありません。婦人科検診と同時に乳がん検診を行うことがあるのですが、検診先が専門のライセンスを持っているかでかなり異なることは事実です。
乳がん検診は乳腺科・乳腺外科のあるクリニックや病院で受ける方が確実です。

 

加藤 そうか……まずはそこから知らないといけないですね。産婦人科で乳がん検診ができると思っている人は結構いるんじゃないかなと思うんですよ。

 

田村 そうかもしれませんね。女性がなるがんの中では乳がんが一番多いのですが、若年では子宮頚がんも多いので、両方検査の必要があるので混合しやすいという問題があるのかもしれません。区や市町村から配られる乳がん検診のチケットがありますよね。それはご存知ですか?

 

加藤 はい、うちにも検診のお知らせが来ているのを見ます。僕の妻も受けてるんじゃないかな。

 

田村 受けたほうがいいですね。でも少し人間ドックで行われる検査と異なる可能性があることは知らないといけないと思います。

 

加藤 え、それだけではダメなんですか?

 

 

田村 お住いの区市町村や、受診する施設によっても検査の精度にばらつきがあるのかもしれません。0期やI期の小さながんは、昨年や一昨年のデータと比較して初めてわかることも多いのですが、必ず去年や一昨年と比較しているとは限らないことも知らないといけないです。行政がやっている死亡率を下げることを目的として行われる検診を対策型と呼ぶのですが、その目的からは必ず比較しなければならない訳ではないんです。

 

加藤 マンモグラフィー検査をしても、小さながんは見つからないということもあるんですね!

 

田村 あると思います。40代でまだ若い世代は、マンモグラフィーだけでは分からないことがあって、小さいものを見つけるには超音波検査を加える必要があるんですね。がん発見率が上がることがわかっているのですが、超音波検査で小さく見つけることで死亡率も下がるということはまだ証明されていなくて、対策型の乳がん検診はマンモグラフィーのみが主流となっています。対策型は予算が決まっていますので、区市町村によって受けられる検査の内容も異なる場合もありますし、乳腺の専門医がダブルチェックして精密に見ている場合もありますが、そうでない場合もあって、実際は差があるんですね。

 

加藤 検査結果を見ている人によって、診断の精度が変わってくるということなんですか。それはちょっと怖いなと思います。検診というのは一定レベルであって然るべきだと思うのですが。その後の手術となればお医者さんの腕にも左右されるんだろうけど。検診はどこで受けても同じだと思っていたけど、実はそれが違うという話なんですね。検査を受ける側としては、病院の選び方が分からないですよね。どういうチェックポイントをもとに検診場所を選べばいいんですか?

 

田村 検診で異常と指摘を受けて精密検査を受けると、異常がないと診断されることがあります。検診を受ける施設と精密検査を受ける施設では、見ている医者の専門性や検査の目的が異なるということを知っておかなければなりません。精密検査もできる医師が検診をしているかどうか、ある意味しかるべきひとが見ているか、というところもあるんです。病院を選ぶポイントとしては、そういった専門医からの説明がきちんとしているか。あとは過去の検査結果、つまりマンモグラフィーや超音波の画像と、今回の画像を比較して診断してくれているかどうかです。人間ドックのオプションとして入っているものでも、専門の先生が診ているものもあれば、そうでない場合もあるので差が生まれることがあるかもしれません。1センチや5mmなど小さなものは、そういった質の差のなかでは見つからないことも多いかと思います。

 

加藤 自治体の検診は安くていいのだけれど、発見できないかもしれないというリスクがあるということは知っておいた方がいいんですね。見落とすことがあるということは、個人で信頼できる病院を選んで定期的に検査すべきなんですね。

 

田村 はい。生存率や死亡率という点では2年に1回でよいかもしれないけれど、1年に1回だと小さく見つけることができるでしょうね。小さく見つかればその後の治療が変わってきて、小さな手術で終わったり、抗がん剤で髪を失う必要もないかもしれません。自分で受けている検診の内容が心配だったり、不安だったりする場合は、任意型というのですが個人で病院を選んで自費で検診を受けることもできるんです。検診の質を選ぶことができるんですね。

 

加藤 間違いなく早期で見つかった方がいいですよね。過去のデータと比較して診断することが必要ということで、検診の連続性が必要なんですね。

 

息子が受験だから…家族のために自分のことは後回し

田村 私たち医師がもっと広く女性たちに検診についてお話していく必要があると思っています。メリットとデメリットをお話して、もし小さくみつけるメリットを感じるなら専門性のある施設での定期的な健診の必要性を啓蒙していくべきなのではないかと思っています。人間ドックや企業検診を福利厚生として受診できる方もいますが、自分が対象ではない場合にコストをかけてまで検診を行うことにどれだけの価値を見出しているかということですね。

 

加藤 でも、病気のことは後回しにしたいのが人間ですよね。もししこりがあったとしても、おかしいからすぐに検査しようという風には動きづらいと思います。

 

田村 明らかにしこりがあって、本人も乳がんではないかと思っているのに、気がつかなかった、見なかったことにする方もいます。寝たら治るのではないか、家族のことで忙しいから、などいろいろな理由をみつけて、なかなか病院に来ない方もいらっしゃいます。でも、ご家族のことを大切に思うのと同じように、自分のことを大切に思ってほしい、ということを伝えていきたいですね。

 

加藤 家族のことで自分のことを後回しにするというケースは患者さんの中であるんですか。え、それはなんで?家事が出来なくなるから?

 

田村 がんが発見されても、旦那さんの仕事が正念場だから治療を遅らせたいとか、子供の受験があるから待ってくださいなどという声をよく聞きます。この世代の女性には、自分よりも家族の方が大事だ、という考えている方も多いんですね。検診についても同じで、日々の忙しさでタイミングを失うことが多いようです。ご家族からしたら元気に笑っていてくれることが大切だと思うんですけれど、本人が自分自身を大切に感じていないことが多いのかもしれません。乳がんに最もかかりやすい30代後半~40代の女性は仕事や育児、家族のことに精一杯で自分のことは後回しなんです。

 

加藤 へえ……まだそんなことがありますか。まだそんな時代なんだ。そんなに奥さんのことを縛っているのかな、世の中の男性たちはみんな。うちの奥さんはふらふら自由にしているけどなあ。女性たちが検診に行く時間も持てないなんて。理解というのは会社にも家庭にも必要だということですね。

 

 

男性たちはどうやってアプローチしていけばよいのか

「田村 加藤さんは奥様と検診の話をしたりしますか?

 

加藤 検診票が来ているのを見ると“行くの?”と聞くと“行く”と言ってますね。僕はそれ以上は突っ込んで聞かないです。まあ結果が悪かったら言うんだろうし、妻がしっかりやっているものだと思っていました。でも、今回先生の話を伺って、専門性のあるしかるべき病院に検診に行くべきだということを知ったので家族でも話すと思います。乳がんというのは男の自分は立ち入ったら悪いなと思う部分があります。どうすればいいんでしょうか、男性たちは。旦那さんや彼氏は女性に対してどうやってアプローチしていけばいいのでしょうか。

 

「田村 乳がんの罹患率は年々増加してきていて、11人に1人がかかる珍しくない病気だという知識が必要です。どのような検診があるのかも知っておくべきですね。実際に乳がんの治療をする場合には、家事や仕事をセーブする必要なときもあるので、家庭でも職場でも、男性にできるサポートが沢山あります。あとは、病気になるまでは家族に大事にされていない、愛されていると実感することがなかったけれど、命に関わる病気になったタイミングに初めて、旦那様やご家族、大切なお友達に愛されていることに気づいたとおっしゃる患者さんが多いんです。愛されていることや自分にとって大切なことを実感して、それが治療へのパワーにつながっていくんですね。一番お願いしたいのは、男性たちには普段から、相手のことを大事に思っているということを伝えていただくことです。そうすることで検診への気持ちが変わるかもしれないし、体調や変化に気が付いたり、がんと診断された時の治療への向き合い方も変わっていくのかもしれません。

 

加藤 なるほど。大事にされている、と実感してもらうことが大切なんですね。でも、例えば欧米のように“愛してるよ”とかやらなければいけないのかな、というプレッシャーを男性たちが感じるのは違うと思うんですよね。男はそのプレッシャーを感じてしまうんです。大事にしているという気持ちは、言葉でなくても日々のやりとりで出来るじゃないですか。先月より多くお金を稼ぐとか?細かいことですよね。疲れているなら寝ればと声をかけたり、すっと手を差し伸べたりする感じとか。さりげないアプローチなのかな。言葉で優しさを伝えるのは難しいですよね。急に“愛してるよ”と言っても奥さんは気持ち悪っ!となりますよね。怖っ!みたいな(笑)。

 

田村 あとは健康管理をする時間を奥さんにあげることが大切ですね。

 

田村 私たち医師は、目の前の患者さんと向き合うことに忙しくて、病院の外や社会に対する啓発活動が十分できていないのかもしれませんが、現在では様々な企業や団体が乳がんの早期発見や治療開発のための活動をしています。加藤さんもそういったキャンペーンはご存知ですよね。

 

加藤 はい、もちろんです。多くの人がこの病気について知ることが必要なので、啓蒙活動はやった方がいいなと思います。けれど、男性が参加するのは失礼かなというある種の距離感があります。知識がないくせに出ていっても、という感じがしてしまって。でも、これからは男性でもキャンペーン活動に参加した方がかっこいいという風潮になればいいですよね。

 

 

まずは知ることが大切。相手に思いやりを感じてもらいたい

加藤 新型コロナの感染拡大でテレビ業界でもいまだ最大限の注意をしながら活動しています。私も自粛期間中はほとんど家族としか直接的に会話をする機会がなくて、最初は家族だけでいいのかな、こういうスタイルもありなのかなと思っていました。けれど、日を追うごとに人と話したい、いろんな人と接したいという欲求に気づきました。オンラインでは出来ないような、人とのくだらない雑談がいかに大事だったのかを知りました。無駄と思われるような会話があるからこそ、新しい何かを生むことができるのだなと。

 

田村 そうですね。コロナ禍では人と人との直接的なコミュニケーション中で生まれる気づきや、相手を思いやる気持ちがますますかけがえのないものになってきたと思います。相手を大切に思っているよ、と気持ちを伝えることが、乳がん検診について考えるきっかけにもなると思います。

 

加藤 相手への思いやりってなんだろうと考えたときに、それは相手が感じることだなと思うんです。自分が思いやりあることをやってやろうなんていうのは、思いやりとは言いません。結局、それは相手のことを思うことが大事になってくるのですが、自分の行動が思いやりを持っているんだ!というエゴイズムが伴っていたら絶対にダメだと思っています。人との付き合いはそういうものですよね。相手が気を使ってくれているなとか、あの一言で優しさを感じたなとか。例えば、乳がんになられた方も周りから思いやりの圧力を受けることが多いと思います。みんなが大丈夫?と心配するよりも、体の調子がいいんだったら外に飯でも行くか?と普段どおり声をかけた方が嬉しい場合もあると思います。相手の気持ちをどれだけ汲んで動けるか、ですよね。

 

田村 まさにその通りで、素敵だと思います。患者さんたちが乳がんという病名を周りに言わない理由として、特別に優しくされたり、特別な気持ちを押し付けられたりするのが嫌だからとおっしゃる方も多いです。相手がいつも通りに接してくれることが大事なんだと思います。ただ、前提として病気についてはある程度知っておいていただきたい。知識があった上で過度にならない接し方をすることが思いやりに繋がります。

 

加藤 難しいんですけどね、いつも通りというのは。相手へのさりげない気持ちを伝える方法があるといいですよね。そのためにはまず、知識があるということが大事ですね。乳がんはそういうことなんだ、と知る機会を民間企業が与えてくれるのはいいことだと思います。毎年検診してデータを比較しないと見つけることが難しい病気だということが分かったので、勉強になりました。小さいうちに発見できれば、乳房を失うリスクを最小限に出来るし、その後の治療の選択肢も広がってくるのだということを知りました。

 

田村 まさしく乳がん検診の大切さを知っていただくチャンスです。知識を得た上で、その後の選択は自由だということがありますよね。

 

加藤 男性も知っておくべきだなと思います。知ることによって会話も出来ますからね。

  • 加藤 浩次

    1969年北海道生まれ。1989年山本圭壱とお笑いコンビ「極楽とんぼ」を結成。現在、『スッキリ‼』(日本テレビ系)『がっちりマンデー‼』『スーパーサッカー』(共にTBS系)など、さまざまな番組のMCとして活躍するほか、芸人、俳優を多方面で活躍中。趣味はサッカー/スキー(国際検定1級資格と同格)

  • 田村 宜子

    虎の門病院 ブレストセンター 医長

    乳癌診療が専門で、診断から手術・薬物療法・放射線治療など乳癌に対する治療方針を検討し、手術・薬物治療を担当。若年乳癌患者さんの将来の妊娠・出産についての相談なども受けている。

ESTNATION × 虎の門病院  
乳がん検診ギフトチケット

虎の門病院ブレストセンター(東京・港区)のご協力による乳がん検診チケットであり、非営利のものになります。虎の門病院健康管理センター(東京・港区虎ノ門)にて、マンモグラフィー検査と超音波の検査を受けられます。異常所見が見られる場合は、専門医による説明外来を受診できます。
ご家族や大切な人に、いつまでも笑顔でいてほしいという願いをこめて、相手に温かい気持ちを伝える思いやりのギフトです。

乳がん検診ギフトチケット 
16,500 円(税込)

お取り扱い店舗:有楽町店、六本木ヒルズ店、
およびエストネーションオンラインストア

https://www.estnation.co.jp/shop/items/goods.html?gid=53006620

販売期間 2020年10月1日(木曜日)~31日(土曜日)