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エグゼクティブの愛する仕事服

しなやかに今を生きるアクティブな女性たちは、
どんな想いでビジネスウエアを選び、
何を着ているのか――
時代を牽引する4名のエグゼクティブにインタビュー。
第二回目は社会起業家の平原依文さんにお話を伺った。

平原依文

●社会起業家、HI合同会社代表。小学2年生から単身で中国、カナダ、メキシコ、スペインに留学。東日本大震災の時に帰国し、早稲田大学国際教養学部に入学。新卒でジョンソン・エンド・ジョンソンに入社し、デジタルマーケティングを担当。その後、組織開発コンサルへ転職し、CMOとしてマーケティングを牽引しながら、広報とブランドコンサルティングを推進。「地球を一つの学校にする」をミッションに掲げるWORLD ROADを設立し、世界中の人々がお互いから学び合える教育事業を立ち上げる。2022年には自身の夢である「世界中の境界線を溶かす」を実現するために、HI合同会社を設立。SDGs ×教育を軸に、国内外の企業や、個人に対して、一人ひとりが自分の軸を通じて輝ける、持続可能な社会のあり方やビジネスモデルを追求する。Forbes JAPAN 2021年度「今年の顔 100人」に選出。青年版ダボス会議 One Young World 日本代表、教育未来創造会議(内閣官房)構成員、 バリュエンスホールディングス株式会社 社外取締役なども務める。好きなスタイル・アイコンはオードリー・ヘプバーン。「俳優としてはもちろん、長く社会貢献活動に尽力してきた彼女の生きざまは私の憧れです」。
https://www.hi-parters.com/

真珠のようなホワイトの服をキャンバスに見立てて

「世界中の境界線を溶かしたい」――15歳の時に抱いた夢を人生の目的に掲げて活動する社会起業家の平原依文さん。現在は、HI合同会社の代表として学校や企業向けにSDGsをテーマとした講演事業や研修事業等を行っている。

この日、平原さんが纏ったのは、エストネーションの新作セットアップ。柔らかな光を放つホワイトは、彼女の大好きな色のひとつだそう。

「まるで真珠を纏っているかのような優しい白にひと目惚れしました。着ると自然に背筋が伸びますね」。
どんな人とも“枠でなく軸で語れるような関係を築きたい”と願う彼女にとって、ホワイトの服はキャンバスのようなもの。

「皆さんと対話しながら、一緒に新しい絵が描けたらいいなと思っていて。白い服は、そんな私の想いを表現してくれる色なんです」。

「世界中の境界線を溶かす」想いを実現すべく装いもボーダーレスで

普段はTシャツやデニム、すとんとしたワンピースなど、肩の力の抜けたシンプルな装いが好み。仕事でもプライベートでも、あえて服装は変えないのが平原さんのスタイル。

「いつも“同じ私”でいたいんです。報道番組などに出演する機会も多いので、“お堅い人”というイメージがあるようなのですが、そんなことは全然なくて(笑)。まずは、私自身がどんな人か知っていただけるように、どんな場にも“いつもの服”で行くことがほとんどです」。

例えば、同じデニムでもきちんと見せたい日にはキレイ目のインディゴカラーにしたり、Tシャツなら上質なコットンの五分袖にしたりと、色や質感などにはこだわっているという平原さん。とはいえ、自分以外は全員スーツという経営者の集まりにカジュアルな装いで行くと、その場から浮いている自分を感じることもしばしば。

「そんな時は、“人と人とが対話することで、世界中の境界線は溶けていくものだと思っているので、なるべく話しかけていただきやすい服を選ぶようにしています”とお話しすると、皆さん“ああ、そういう意図があったのですね!”って納得してくださって、会話が弾むんです。私にとって洋服は、“対話のきっかけ作り”として大事な役割を果たしてくれるものでもあると実感しています」。

初めてトライした色が新しい自分を発見するきっかけに

ストレートなフォルム、凛としたマニッシュなテイスト、色は白、黒、グレー、紺――自分が好きなスタイルは決まっており、その“型”をキープするのが心地いいと感じていた平原さん。しかし、この数年、今まで着ていなかった色にチャレンジし始めたことが、新しい自分を発見する糸口になったという。

「信頼しているブティックの店員さんが、絶対自分では選ばないだろうって色をすすめてくださって、一昨年はグリーン、昨年は赤を着てみたら“こういう色も素敵だな”って気づいたんです。つい先日、エストネーション六本木ヒルズ店でニュアンスのあるブルーのシャツに出会って“今年のテーマカラーは青にしよう!”って即決(笑)。こうやって毎年一色ずつ自分の色が増えていくことで、お洒落の振り幅が広がるのが嬉しいですね。これからも、“世界中の境界線を溶かす”ために、それぞれ多彩な色を持つ皆さんと、新たな未来図を描いていきたいと思っています」。

上質なウールで仕立てたダブルのジャケットとワンピースのセットアップ。ジャケットのラペルに配した艶やかなシルクがさりげなくフェミニン。ワンピースは、裾にシアーな異素材を配したアシンメトリーなデザインが程よくモード。「普段はカジュアルなスタイルが多いですが、白のジャケットも大好き。まろやかで発光するような、“真珠の白”に惹かれます」。