「New Luxury Manner Book」は
品格と知性をもった大人のためのマナーを提案していきます。
時代とともに進化するマナー。
ESTNATIONのエキスパートスタッフとともに
あたらしい時代のマナーを考えていきましょう。

Vol.08

Restaurant’s
New Manners

レストランでのニューマナー

夫婦で、家族で、あるいは大切な人と。特別な日に味わいたい格式の高いレストランでのディナー。その時間と空間を心ゆくまで楽しむために、心得ておきたい多くのマナーがあります。ドレスコード、カトラリーの使い方、所作。六本木ヒルズに店を構えるNY発の人気店「ジャン・ジョルジュトウキョウ」の支配人兼シェフソムリエの中里剛宜さんとともに、新たなレストランのマナーについて考えていきます。

INTRODUCTION

Navigator

“格式のあるレストランで過ごす時間は、まさに非日常。ファッション、所作などをスマートにこなすことで、その時間はさらに特別なものになるでしょう。大人の新しいマナーをともに身につけていきましょう”

竹山公明

エストネーション六本木ヒルズ店 / ストアマネージャー

“大切な時間を使ってお店にお越しいただき、料理を楽しんでいただくわけですから、マナーについて、堅苦しく考えず、気軽にコミュニケーションをとって、楽しい時間をお過ごしいただければと思います”

中里剛宜

ジャン・ジョルジュトウキョウ支配人 / シェフソムリエ

MANNER

上品さと着心地を備えた装いで構えすぎずに

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上品さと着心地を備えた装いで構えすぎずに

竹山（以下T）：フレンチレストランにはドレスコードを設定されているお店も多いですよね。ジャン・ジョルジュトウキョウでは、「エレガントカジュアル」を推奨されていますが、具体的にはどのような装いでしょうか? 中里（以下N）：インテリアや調度品などに含まれる白を基調とした当店の雰囲気に調和することをイメージした装いです。具体的には、男性にはジャケットや襟付きのシャツ類をおすすめしています。タイは必要ありません。サンダルやショーツは避けていただければと思いますが、スニーカーでも問題ありませんし、ジャケットの下はTシャツでもOKです。女性には特にアイテムの推奨はありません。履き物に関して、ミュールだと少しカジュアルな印象が強く、歩きづらいので避けていただいたほうが良いかな、という程度です。ドレスコードというと堅苦しく感じられますが、思い思いのエレガンスを表現していただければと思います。料理も服装も合わせてお楽しみいただけたらと思います。 T：堅苦しく考えなくて大丈夫なのですね。今日は暑くなるこれからの季節に合わせ、コットンのジャケット&パンツに、ポロシャツを合わせました。特別な場とはいえ、かしこまりすぎては楽しめませんから。ベージュで上品さは担保しつつも、着心地が良く軽さのある装いを心がけました。装飾やアクセサリー類について気をつけることはありますか? N：NGなものはございません。ただ、手首周りに大ぶりなアクセサリーを着けたり、袖口に大きな装飾が付属するような衣服は、お料理についてしまうこともありますので、避けられたほうが良いかもしれないですね。素敵な装いが汚れる心配をせず、お食事を楽しんでいただけたらと思います。

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背もたれは使わずに控えめな所作こそ美しい

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背もたれは使わずに控えめな所作こそ美しい

T：フレグランスもつけすぎないほうが良いですよね? N：そうですね。香りでもお料理を楽しんでいただきたいというのも一つですが、周囲のお客様への配慮として、強い香りのものは、やはりお控えいただくのが良いかと思います。 T：入店から着席に至るまでにスマートな所作というものはありますか? N：入店から席までのご案内は、スタッフが行いますので、安心してインテリアや賑わいのある店内の雰囲気を楽しんでください。コートやお荷物がある場合、この時にお預けください。また、着席に関しましては、背もたれを使わずに座られている方はスマートだなと感じます。目安でいうと拳一つ分程度でしょうか。背筋が伸びて、見た目も美しく、きちんとされている方だな、という印象になります。 T：スタッフの方を呼ぶ時にはどのような所作が良いでしょうか? N：スタッフは、基本的にはいつ呼ばれても大丈夫なように常に準備をしておりますので、大きく手をあげたり、「すみません」などと声をかけられるよりも、アイコンタクトいただいて、軽く手をあげていただく方が素敵だな、と感じます。 T：他のお客様もいらっしゃいますもんね。控えめな所作が美しいですよね。

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ナプキンは1/4を折ってグラスは脚の下の方を

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ナプキンは1/4を折ってグラスは脚の下の方を

T：テーブルにセットされているナプキンはどう使うのが良いのでしょうか? N：おすすめは、正方形の本体の端から4分の１を内側に折り曲げて、膝の上に置く方法。折り曲げた内側で、手やお口を拭くと、汚れが外に見えないという点でスマートです。これだけが正解というわけではないのですが、知っておくと良いかもしれません。 T：汚れを外に見せないというのも気遣いですよね。グラスはどのように持つのがおすすめですか? N：シャンパングラス、ワイングラスとも脚の下のほうを、親指、人差し指、中指の３本で持ってください。なるべくグラスから体温を移さないようにするのが、シャンパンやワインをおいしくいただくためのセオリーです。 T：その方が見た目にも美しいですよね。ワイングラスをぐるぐるとスワリングするのは、マナーとしてどうでしょうか? N：ぜひ、スワリングしておいしく楽しんでください。ただし、その際、勢いよく回しすぎて同席者にワインの飛沫を飛ばさないようにする気遣いは必要です。横並びで座っている場合ですが、同席者が左側なら時計回りに、右側なら反時計回りにスワリングすれば、万が一お酒が飛んでしまっても、かかるのは自分だけ。そういった点まで気遣いできるとなお素敵ですね。地球の自転に合わせるとおいしくなるという話もあります。北半球だと左回りですね。真偽の程は確かではないですが、テーブルトークの話題にしながら、試してみても面白いかもしれませんね。

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スプーンは手前からナイフは端を持って

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スプーンは手前からナイフは端を持って

T：カトラリーの使い方の基本的なマナーを改めて知っておきたいです。スプーンはどのように使うのが良いですか? N：手前から奥にスプーンを運んでいただき、適量をすくっていただくのがスマートかと思います。小さなものは左手で押さえながら、スプーンを使っていただいても問題ありません。お皿のお料理での場合も同様です。 T：ナイフ＆フォークについて、気をつけるべきポイントがあれば、教えてください。 N：ナイフは柄の端側を持つと上品に見えます。力を入れたい場合は人差し指を背に添えると良いでしょう。基本的に食用のナイフは、いわゆる“押し切り”では切れないつくりなので、引いて切るようにします。その方が食材もスッと切り分けられ、美しい所作になります。 T：確かに端を持った方が、カトラリーが長く見え、動きも美しく見えますね。控えめに、でも美しく。これはどんな場所にも通ずるキーワードですね。ちなみにフォークの背にナイフでライスやマッシュポテトなどを乗せて食べる方法はいかがですか? N：NGではありませんので、使いやすいように使っていただいて構わないですよ。ただ海外ではあまり目にしないので、海外の方が見ると“日本人は器用だね”、と驚かれるかもしれません。

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ソースはパンにつけて最後まで

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ソースはパンにつけて最後まで

T：ソースをパンにつけて味わうのは、マナーとしてはどうでしょうか? N：大歓迎です。むしろ我々はお皿にソースが残らないほど気に入っていただけた、という表現だと受け取ります。シェフもとても喜びます。 T：OKな所作と聞いて安心しました。美味しいものは、最後まで楽しみたいですもんね。ひと皿食べ終わった時のサインについても改めて教えてください。 N：お皿の右側、時計でいう4時位置のあたりにフォーク、スプーンは上向き、ナイフは刃を内向きにして平行して寄せておくのが“食べ終わり”のサインです。食べ残しは、お皿の右隅に寄せておくとスマートですし、私たちもお皿を下げやすいのでありがたいです。一方で、食べている途中にカトラリーを置く場合は、フォーク、スプーンは下向き、ナイフは刃を内向きに、お皿に先端をかけてハの字に置いてください。 T：下げてほしいと呼び止めるのは、スマートではないですね。こうしたことを知っているだけで、振る舞いも変わってきますね。

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相談も会話として気負わずに楽しむ

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相談も会話として気負わずに楽しむ

T：お酒を注文するときは、スタッフの方とコミュニュケーションを取りながら選んでいく形で大丈夫ですか? N：もちろん、わからないことはなんでも聞いていただきたいです。料理をお出しする前にお酒をご用意させていただきますので、次の料理にはどのようなワインが合うのかを遠慮なくソムリエに聞いてください。テーブルにご着席いただき、お料理の説明時にそれぞれの料理とのペアリングについて打ち合わせいただくのも、レストランでの会話を楽しむポイントですよ。ご希望の銘柄がある場合は、それを軸にしてご提案することも可能です。ハーフボトルなどのリクエストなどにも対応できます。何より大事なのは、ご希望の楽しみ方や好みをお伝えいただいて、ご相談いただくことです。 T：私たちのショップでも同じですね。色々聞いてもらった方が提案もしやすいですから。その相談自体もコミュニュケーションとして楽しみたいですよね。 N：積極的にご相談いただく方のほうが、レストランに来慣れた洗練された方だな、という印象を抱きます。その日のお祝いの内容や気分などに応じて楽しみ方はさまざまですから。 T：気負わずにコミュニュケーションそのものを楽しむということが大切ですね。レストランは大人の社交場であり、教養の場ですから。

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会計はスマートにスムースに帰る時まで気遣いを

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会計はスマートにスムースに帰る時まで気遣いを

T：会計をスマートに済ませるには、どんな方法がありますか? N：入店時にあらかじめクレジットカードをスタッフに渡す、事前決済をリクエストする、などさまざまな方法があります。スタッフに申しつけられる場合は、オーダーなどと同様にアイコンタクトを取ったり、サインを記入するようなジェスチャーで呼び止めたりしていただくのも素敵です。 T：なるほど。他に気持ちの良い仕草、洒落た所作があれば教えてください。 N：お預かりしていた上着をお返しするにあたって、袖を通すのをお手伝いさせていただくとき、少しかがんでいただけるお客様には、我々への気遣いを感じますし、洗練されているな、と思います。同様に男性のお客様が、パートナーの方のお預けされた品を代わりに受け取ったり、着替えを手伝われている仕草も素敵だな、と思います。 T：それはエストネーションでも同じですね。洋服を着せられ慣れている方って、自然と相手への気遣いができる、マナーを知っている方だなと思います。スムースな所作ができる人は洒落ていますよね。

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Information

JEAN-GEORGES-TOKYO

住所: 東京都港区六本木6-12-4
六本木ヒルズけやき坂通り 1F
TEL：050-1807-6975
営業時間：
Lunch 11:30～15:00（L.O 13:30）
Dinner 17:00～23:00（L.O 20:30）
Seat：20席
（1F：Counter 14席／2F：Private Room 6席）