「New Luxury Manner Book」は
品格と知性をもった大人のためのマナーを提案していきます。
時代とともに進化するマナー。
ESTNATIONのエキスパートスタッフとともに
あたらしい時代のマナーを考えていきましょう。
Vol.13
ESTNAION'S
New Manners
代表 大田直輝が考える
エストネーションのニューマナー
1年間に渡って大人の様々なニューマナーを探求してきた「ESTNATION New Luxury Manner Book」。最終回となる今回のナビゲーターは代表取締役社長である大田直輝。ファッションだけではなく、ライフスタイルを提案するエストネーションにとっての新しいマナーとはなんなのか。12回の企画を振り返りながら、改めて考えていきましょう。
Navigator
“正しい知識に基づいた所作や言葉遣いに品格というのは現れます。そして、それを自分らしいファッションとともに表現する。そんな人こそが品格と知性を兼ねるニューマナーを体現する人物だと思っています”
大田 直樹
エストネーション 代表取締役社長
FOR
Fashion
MANNER
01
四季を感じて、 マナーあるファッションを
MANNER
01
四季を感じて、 マナーあるファッションを
ファッションにおいて、マナーを守りながら自己表現をする上で、大切にするのはどんなことでしょうか?
大田(以下O):一番大切なことは四季を感じることだと思います。場に応じた服装って、四季の移ろいに合わせることから始まるんです。例えばいくらおしゃれだからと言って一般的に夏にコートは着ないし、冬にタンクトップも着ないですよね。季節とシーンを考えながら、ふさわしい格好を考えていくことが重要です。日本には欧米のような階級社会がないため、様々なブランドを取り入れながら、最終的にはヴィンテージなどと合わせていくストリート的な解釈が広まっていき、多くのファッションカルチャーを育んでいきました。それが逆に欧米にも広がっていったわけですが、階級社会ではない分きちっとしたシーンに応じたファッションの知識が根付かなかったと思うんです。洋服の根本的なマナーを学びつつ、どう自分らしく落とし込んでいくのかを考えていくことが重要だと思います。
MANNER
02
ファッションを通して 豊かなライフスタイルを創造する
MANNER
02
ファッションを通して 豊かなライフスタイルを創造する
エストネーションではどのように現代のファッションマナーを提案していますか?
O:エストネーションでは創業当初から店頭スタッフをライフスタイリストと表現していたのですが、現在は「クリエイティブライフスタイリスト」として掲げ直しています。その根底にあるのは、「ファッションを通してお客様の困り事をクリエイティビティを発揮して解決していく」ということです。夏の暑さが異常なものとなって四季が崩れたり、コロナ禍を経て、これまでの暮らしにはなかったシーンが増えました。また他方では、授賞式などプレミアムな場に立たないといけないお客様もいらっしゃる。様々なことが多様化する中で、今までの杓子定規で、流行に応じて全員が似た服装をする時代から、全員が自分の尺度で自己表現を行う現代において、その場その場の課題解決をお手伝いしていくのが我々の仕事だと思っています。例えば「Vol.9 冠婚葬祭のジュエリーのニューマナー」で紹介していたレポシのリング。世代を超えて愛される名門であり、なおかつ還暦を表す赤を用いた華のあるデザインはファッションセンスとマナーを兼ね備えた、還暦祝いのプレゼントとして最適な逸品だと感じました。ファッションを通して豊かなライフスタイル全般を創造していく、個性を活かしながらファッションのマナーも伝えていく。お客様のためにファッションを通してどのようにクリエイティビティを発揮し提案するのかが重要なのです。
FOR
Food
MANNER
01
マナーを考えることが、 居心地の良さにもつながる
MANNER
01
マナーを考えることが、 居心地の良さにもつながる
「ライフスタイルを豊かに創造する」という意味では、本連載では装いだけでなく、食事の際のマナーにも焦点を当てました。食事の際のマナーをどう考えていますか?
O:Vol.6の鮨店のニューマナーにもありましたが、レストランでのフレグランスはできるだけ控えめにするということはとても大切だと思います。特に鮨店はテーブル席とは違いカウンターなので間隔が近いですよね。店を訪れた全員が同じ対価を払うわけですから、本当に美味しく食事ができているのかはお店のご主人が一番気にされていますが、お客様である以上、ないがしろにはできない。だからこそお互いにマナーを考え、心地良く過ごしていけるようにするのが大切だと思うんです。
MANNER
02
実際に経験して 理解することが大切
MANNER
02
実際に経験して 理解することが大切
食事の際のマナーは実際に経験しないとなかなか身につかないですよね?
O:お店などのマナーは実際に経験して理解することが本当に大切だと思います。それによってお客様との信頼関係も変わってきます。だからこそクリエイティブライフスタイリストであるスタッフにはさまざまな経験を積んで欲しいし、積ませるようにしているんです。
実際に経験していることとしていないことでは説得力が違いますし、エピソードとしてもお客様に伝えられるのはとても大切ですから。当然新入社員だと難しいこともあると思いますが、30代、40代、50代と生涯付き合っていくお客様が存在するときに、どんなことを経験しているかがとても重要になってきます。経験があるからこそ、その場に応じた着こなし方なども伝えられますね。
実際に経験していることとしていないことでは説得力が違いますし、エピソードとしてもお客様に伝えられるのはとても大切ですから。当然新入社員だと難しいこともあると思いますが、30代、40代、50代と生涯付き合っていくお客様が存在するときに、どんなことを経験しているかがとても重要になってきます。経験があるからこそ、その場に応じた着こなし方なども伝えられますね。
FOR
Others
MANNER
01
日本の常識が 海外の常識とは限らない
MANNER
01
日本の常識が 海外の常識とは限らない
日本と海外で感じるマナーの違いはありますか?
O:特に感じるのは時間に関しての違いですね。日本では時間に関するマナーの捉え方が希薄だと思います。例えば日本ではセレモニーなど正式な場で、夕方なのにモーニングを着ていたり、逆に昼なのにタキシードを着ていたりする。海外では当たり前の昼と夜の装いの違いを意識できていないことが多いんです。ボタンひとつとってもゴールドのボタンは太陽を表すことから昼間しかつけてはいけないんです。夜に着る服はシルバーでないといけないなど、TPOのマナーは日本人も意識してきてはいますが、T=Time (時間) に関するマナーはまだまだ欧米から学ぶべき部分が多くあると思います。
MANNER
02
ファッションを通して 文化をも伝えていく
MANNER
02
ファッションを通して 文化をも伝えていく
今後エストネーションではどのようなマナーを提案していきたいですか?
O:海外に行く日本人も増え、日本に移住する外国人も増えた今、エストネーションでは海外に向けたマナーを提案していくことが大切だと思っています。例えば日本では器を抱えて食べるのが普通ですが、海外では基本的に器を持つことはない、ファッションだけでなく食事についても国ごとに違ったルールやマナーがあります。クリエイティブライフスタイリストである我々が、日本の方々には海外のマナーを、海外の方々には他国とは違う日本の文化をファッションというフィルターを通して伝えていく。多民族化、国際化の進む日本において海外に行っても恥ずかしい思いをしないよう、様々な角度から提案をできるようにしていきたいと思っています。
Conclusion
日本人らしい礼節や所作が 新たなマナーを作っていく
日本人らしい礼節や所作が 新たなマナーを作っていく
エストネーションとして現代のマナーを提案する上で、もっとも重要だと考えるのはどんなところでしょうか。
O:日本人らしい礼節や所作を大切にしていくことが重要だと思っています。礼節や所作を気遣っていくことで自然と良いマナーが生まれてくると思うのです。そして良いマナーが広がれば心地良い空間が出来ていきます。我々がファッションスタイルを含めた良いマナーを発信していくことで、お客様にもそれが伝播していき、新たにいらっしゃるお客様もストレスフリーに過ごすことができる。そうした相互作用によって我々が発信するマナーがより広がっていくと思うんです。礼節や所作もひとつの自己表現だと思うので、それをファッションとともにライフスタイル全般を包括的に提案できるようにしていければと思っています。品格と知性を持ったマナーとは、ファッションスタイルだけでなく、人への気遣いや生き方から紡がれていくもの。エストネーションの店舗は洋服を買うためだけの場ではなく、クリエティブライフスタイリストであるスタッフが経験し、考えるニューマナーを学んだり、新しく知った知見を共有するための社交の場でもあると考えているんです。